独自の医療ブランドを守る
機密性の高い患者の情報を確実に保護しながら患者ケアの質を高めることが、医療ビジネスにおいては課題になっています。ビジネスの規模が大きくなればなるほど、難しい課題に直面することになります。新たな事業部門が生まれると、ビジネス全体でセキュリティの基準に一貫性を持たせることがますます困難になります。
多角的に事業を展開する、ある大手の医療ビジネスも同じ課題に直面しました。そこでこの企業は、複数年にわたる大規模なサイバーセキュリティ戦略を実行に移すための支援を受けようと、2020年にベライゾンに相談を持ち掛けました。この企業では、世界各国に数万人の社員が分散しており、複数の事業部門があります。そしてそれらの事業部門ごとに独自のセキュリティチーム、セキュリティテクノロジー、セキュリティアプローチが存在していました。また、種類の違うセキュリティソリューションが大規模に混在していたため、数多くの異なるプロセスが生まれ、組織レベルでさまざまな問題が生じていました。そして、これらの要素のすべてが、組織のサイバーレジリエンスに影響を与えていたのです。同社は、社員のエクスペリエンスを高め、テクノロジー投資の効果を最大化し、セキュリティ管理の手法を強化したいと考えており、 プロセスやテクノロジーの調和を図りながら、セキュリティを強化する新たな手法を確立する必要もありました。
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この医療ブランドにとってSASEソリューションが最適な処方箋であった理由
大手医療ビジネスが、セキュアアクセスサービスエッジ(SASE)ソリューションの導入により、セキュリティ運用の最適化に成功しました。
基盤の構築
ベライゾンの支援を受けながら、課題の解決のために同社が決定したのは、一つの事業部門をトライアルプロジェクトの対象とし、段階的なアプローチを採ることでした。この方法なら、セキュリティプラットフォーム全体の最適化をより包括的に管理できます。事業部門のトライアルプロジェクトで効果が実証されたセキュリティ機能を徐々に追加していけばよいのです。
このプロジェクトの主な目的は、数百の拠点にまたがる30,000のユーザー基盤で、インターネットとビジネスアプリケーションを安全に利用できるようにすることでした。ベライゾンには、グローバルネットワークに強みがあり、統合ネットワークやセキュリティアーキテクチャの設計、実装、管理において非常に優れた実績があります。同社がベライゾンをパートナーに選んだ理由はそこにありました。また、コンサルティング型のアプローチや強力なパートナーエコシステム、複数のベンダー間を連携できる点も重要な決め手になりました。さらに、既知の問題を回避し、不測の事態にすばやく対応できる経験やナレッジを持ったガイドを必要としていました。
まず、顧客の既存のITエコシステムを評価することから始めました。ベライゾンは同社のITチームやセキュリティチームと連携し、ビジネスとテクノロジーの観点から要件を特定するとともに、既存のテクノロジーに起因する機能上の制約や実装上の課題を明らかにしました。
イノベーションを共創
そして次に取り組んだのは、新しいソリューションの基礎をスケッチすることでした。基盤には、ベライゾンのNetwork-as-a-Service(NaaS)を利用することになりました。どこにいてもユーザーがビジネスアプリケーションを安全に利用でき、あらゆるオフィスや製造拠点から安全に接続できる環境は、セキュアアクセスサービスエッジ(SASE)で実現します。
単一のソリューション
この統合インフラストラクチャは、ネットワークとセキュリティを緊密に統合された単一のソリューションに集約します。この結果、事業部門では、ハイブリッドワークを安心して取り入れられるようになりました。現在では、200の拠点すべてにおいて、モバイルデバイスから安全にインターネットやアプリケーションを利用できるようになりました。また、物理サーバーとクラウドベースのサーバーの両方にあるITリソースにも、すべてのオフィスと製造拠点からアクセスが可能になっています。
もはや、ITチームは数多くのベンダーとやり取りをしたり、多数のソリューションを扱ったりすることがなくなりました。テクノロジースタックもサービスデスクも1つだけしかありません。そして、ユーザーのオンボーディングを実施したり、ユーザーとベンダープラットフォーム間のチケットのやり取りを処理するといった日々のセキュリティ業務は、ベライゾンが担当するため、この同社のITチームとセキュリティチームは、より戦略的で価値の高い業務にリソースを集約できるようになったのです。
さらに、簡素化が実現したことにより、システムの可視性や管理性も向上しています。リソースの利用状況やコストを事業部門がこれまでよりも詳しく把握できるようになったことから、ITチームやセキュリティチームはコストの削減が容易になりました。価値のあるシステムやツールは維持、最適化してROIの最大化につなげ、冗長なテクノロジーは廃止しました。
おそらく最も重要なことは、セキュリティリスクを高めていた共有インフラストラクチャの利用を事業部門がやめたことでしょう。この結果、事業部門は、グループ全体を統括するセキュリティチームとこれまでよりもセキュリティポリシーを合わせやすくなったのです。
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